ウルトラマン

ウルトラマンブレーザー──V99案件と「判断の不確実性」の哲学

導入月面上空に正体不明の宇宙艦隊が現れました。味方か敵か判別不能の来訪者に対し、無闇に攻撃すれば平和の芽を摘み、かといって楽観すれば無防備に侵略を許すかもしれない――究極の選択肢が人類に突きつけられます。判断を誤れば破滅、慎重すぎても危機を...
ウルトラマン

恐怖を喰らう影――『ウルトラマンネクサス』におけるスペースビースト論

『ウルトラマンネクサス』(2004-05)は、シリーズ随一のダークな世界観の中で“スペースビースト”と呼ばれる異生獣を描き、「怪獣=恐怖のメタファー」を徹底的に掘り下げた作品だ。スペースビーストは〈恐怖を糧に進化する存在〉として設計され、主...
ゆる哲学

“神”ゲンム――

檀 黎斗(だん・くろと)――別名“神”ゲンム――は、天才ゲーム開発者としての創造欲と自らを崇拝させたいナルシシズムが暴走した結果、「世界はオレのプレイフィールド」という独特の行動原理を貫くヴィラン/アンチヒーローである。本稿は①キャラクター...
ゆる哲学

「ウルトラアイはなぜよく盗まれる?――ダンのドジと技術依存をめぐるゆる哲学」

ざっくり結論モロボシ・ダンがウルトラアイをしょっちゅう盗まれるのは、①敵が知的スパイ型なので狙われやすいマグミクスultra7-kousatsu.com、②ドラマ装置として“変身不能ピンチ”を作る必要があったnote(ノート)note(ノー...
仮面ライダー

綺麗事を諦めない勇気–

五代雄介が放った 「でも、だからこそ現実にしたいじゃない。本当は綺麗事がいいんだもん」 という一言は、仮面ライダーという〈暴力を帯びた正義〉の物語に「理想は理想のまま求め続けるべきだ」という逆説を突き付けた。平成ライダー第1作『仮面ライダー...
プリキュア

自己を超越させる三つの「翼」

HUGっと!プリキュアの初期3人――キュアエール・キュアアンジュ・キュアエトワール――は “翼” を共通語源にもつ呼称で統一されています。フランス語 aile(翼)/ange(天使〈有翼の存在〉)/étoile(星=夜空を翔ける光)と、英語...
スーパー戦隊

限界は超えるためにも、超えないためにもある――ヒーローの時代は、私たちの日常の姿勢を映す

本稿は 『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019 – 20)と『魔進戦隊キラメイジャー』(2020 – 21)に響いた対照的なフレーズ――「限界は超えるためにある!」 と 「限界は超えないためにある」――の意味変化を、平成・令和の時代境目と...
ウルトラマン

オーブダークによるヒーロー像の“歪曲解釈”

ウルトラマンシリーズのなかでも『ウルトラマンR/B(ルーブ)』に登場する ウルトラマンオーブダーク は、「ヒーロー像」をあえて歪めてみせることで〈正義〉と〈自己顕示〉の危うい境界線を照らし出した異色キャラクターである。社長アイドルを自称する...
プリキュア

ありがとう。あなたが夢見てくれたから、わたし今こんなにも幸せだよ–過去の自分への感謝と肯定

以下では『Go!プリンセスプリキュア』第39話「夢の花ひらくとき!舞え、復活のプリンセス!」を手がかりに、キュアフローラ/春野はるかが“過去の自分”へ深い感謝を告げるシーン――「ありがとう。あなたが夢見てくれたから、わたし今こんなにも幸せだ...
仮面ライダー

人は正義の為ならどこまでも残酷になれるんだ…

『仮面ライダーオーズ/OOO』第22話「チョコと信念と正義の力」で、主人公・火野映司が後藤慎太郎に向けて放つ言葉――「正義のためなら……人はどこまでも残酷になれるんだ」 minko.hatenadiary.comは、ヒーロー番組では異例の「...