仮面ライダー

ディケイドに物語はない――なら、俺たちの物語とは何だ?

――ならば「俺たちの物語」とは何か?「ディケイドには物語がない。」この評は、いかにも決定的な響きを持つ。他のヒーローなら理由や理由づけがあり、目的や動機があり、そこへ至る過程が描かれる。しかし、彼――門矢士は違った。彼は目的もないまま旅を続...
プリキュア

震えている君に、物語は始まる資格を与えるか  *名探偵プリキュア 最初の勇気と覚悟*

――名探偵プリキュア・第1話再読『プリキュア』の物語は、いつも何かが足りないところから始まる。名探偵プリキュアの第1話も、そうだった。最初から、二人は探偵ではない。名もなく、実績もなく、事件を解決できる確信もない。ただ、「気になってしまった...
プリキュア

最弱が、最強に言葉を投げた日

――『ハートキャッチプリキュア!』が描いた、強さの逆転本当に強い者は、いつも正しいとは限らない。『ハートキャッチプリキュア!』の中で起きた、もっとも異質で、もっとも忘れがたい瞬間。それは、最弱のプリキュアが、最強のプリキュアを叱った場面だ。...
アイカツ!

大空あかりと希望の哲学

――『アイカツ!』大空あかりと、保証なき努力の哲学結末を知っていれば、挫折は安全な通過点に見える。だが物語の中にいる本人に、その保証はなかった。『アイカツ!』の 大空あかり は、今ではしばしば「努力の象徴」「希望の光」と呼ばれる存在だ。最終...
スーパー戦隊

『王様戦隊キングオージャー──王と責任の哲学』

導入『王様戦隊キングオージャー』は5人の王と1人の語り部という異色の戦隊だ。「王であるとは何か」「責任を負うとは何か」という問いを全面に押し出し、かつてない哲学的テーマに挑んでいる。例えば劇中、主人公ギラ(クワガタオージャー)は「俺様が世界...
ウルトラマン

ウルトラマンティガとガタノゾーアの逆説的勝利

導入光の巨人ウルトラマンティガが倒した“邪神”ガタノゾーア──その勝利は地球にもたらした光と平和の象徴でした。しかし、もしもこのガタノゾーアこそが**宇宙の秩序を保つ抑止力としての「必要悪」**だったとしたらどうでしょうか。正義の巨人ティガ...
ウルトラマン

「血を吐きながら続ける悲しいマラソン」――超兵器開発競争の哲学的省察

導入1968年放送の特撮ドラマ『ウルトラセブン』第26話「超兵器R1号」では、主人公モロボシ・ダン(ウルトラセブン)が放った「それは、血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」というセリフが強い印象を残しました。この言葉は、当時米ソ間で激化...
ウルトラマン

ウルトラマンブレーザー──V99案件と「判断の不確実性」の哲学

導入月面上空に正体不明の宇宙艦隊が現れました。味方か敵か判別不能の来訪者に対し、無闇に攻撃すれば平和の芽を摘み、かといって楽観すれば無防備に侵略を許すかもしれない――究極の選択肢が人類に突きつけられます。判断を誤れば破滅、慎重すぎても危機を...
ウルトラマン

恐怖を喰らう影――『ウルトラマンネクサス』におけるスペースビースト論

『ウルトラマンネクサス』(2004-05)は、シリーズ随一のダークな世界観の中で“スペースビースト”と呼ばれる異生獣を描き、「怪獣=恐怖のメタファー」を徹底的に掘り下げた作品だ。スペースビーストは〈恐怖を糧に進化する存在〉として設計され、主...
ゆる哲学

“神”ゲンム――

檀 黎斗(だん・くろと)――別名“神”ゲンム――は、天才ゲーム開発者としての創造欲と自らを崇拝させたいナルシシズムが暴走した結果、「世界はオレのプレイフィールド」という独特の行動原理を貫くヴィラン/アンチヒーローである。本稿は①キャラクター...